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宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 間柄 正明
Analyst, 140(13), p.4482 - 4488, 2015/07
被引用回数:6 パーセンタイル:21.67(Chemistry, Analytical)ウラン,トリウム,鉛,ランタニド元素を一本の陰イオン交換カラムを使って自動的かつ逐次的に分離した。この分離は塩酸,硝酸,酢酸,フッ化水素酸からなる組成が単純で高純度の酸の混合物を溶離液に使うことで達成できた。この単純かつ自動分離システムを窒素圧縮ガスで稼働し、コンピュータプログラムで制御している。分離評価では粉末岩石標準試料をこのシステムで分離した。0.23ngのルテチウムなど目的元素の元素含有量を分離回収率や操作ブランクの補正なしに正確に定量することができた。この分離システムによって、化学分離にかかる時間や労力を削減することができ、少量の環境試料中元素の極微量定量・同位体分析に有効である。
金沢 徹*; 日高 昭秀; 工藤 保; 中村 武彦*; 更田 豊志
JAERI-Tech 2004-050, 53 Pages, 2004/06
シビアアクシデント時における燃料からの放射性物質放出を調べるVEGA実験では、放出量評価の一環として、実験後に装置配管を酸洗浄した溶液を線計測し、燃料からの放出量と装置内への沈着量のマスバランスを求めている。しかしながら、照射後数年間冷却した燃料を用いた場合、短半減期核種や微量元素の定量化が不可能である。そこで、これらの放出及び移行評価を目的として、誘導結合プラズマ原子発光分光分析(ICP-AES)を用いて酸洗液中の元素分析を実施することにしている。分析に際しては、装置の汚染防止及び被曝量低減の観点から、主な線源であるCsを事前に溶液から除去しておく必要がある。アンモニウムモリブドリン酸(AMP)を用いるイオン交換分離法について、分離試験を実施した結果、Csを99.9%以上分離できること、また、錯化剤を併用することによって、一旦分離されたSbも回収可能であることが明らかになった。また、AMP法でCs分離したVEGA-3実験の酸洗液を、ICP-AESにより試験的に元素分析した結果、U, Sr, Zrの定量化に成功した。今後、Cs分離法として沈殿分離法も併用しつつ、ICP-AESを用いて、放出,移行挙動を明らかにしてゆく予定である。
塚田 和明; 西中 一朗; 篠原 伸夫; 市川 進一; 永目 諭一郎; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 大槻 勤*; 谷川 勝至*
European Physical Journal A, 2(2), p.153 - 155, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:17.12(Physics, Nuclear)ThおよびPuの15MeV陽子誘起核分裂において質量数88~159の分裂片の角度分布を放射化学的手法で求めた。両反応系において分裂する際の質量分割比が1:2という極端な非対称質量分割領域と質量数140程度の典型的な非対称質量分割領域に違いはなく、核分裂過程において同じ鞍点を経由すると考えられる。Th+p核分裂において対称分割生成物の角度異方性が非対称分割生成物の値より明らかに小さく、質量数130の領域はその中間値を示した。これら異なった角度異方性は2種類の鞍点の存在を示唆し、中間値は両成分の混合によるという仮定で説明できる。Pu+p系では対称分割生成物は観測できないが質量数130程度ではTh+p系と同じ傾向が見られた。このように角度異方性は対称および非対称分割で得られるような2つの質量分割モードの存在で説明できる。